- けらし
- けらし(連語)〔助動詞「けり」と助動詞「らし」との連語「けるらし」の転。 一説に「けり」の形容詞的に活用したものとも。 和歌に多く用いられるが, 和歌以外でも感動的・情緒的文には用いられることがある〕(1)過去を回想しながら, ある状態を客観的立場から推量判断する。 助詞「も」を伴って詠嘆的にも用いる。
「古の神の時より逢ひ〈けらし〉今の心も常忘らえず/万葉 3290」「しのびて心かはせる人ぞあり〈けらし〉/源氏(帚木)」「恋せじとみたらし河にせしみそぎ神はうけずぞなりに〈けらし〉も/古今(恋一)」
(2)(近世文語で)「けり」に同じで, それをやや婉曲的に表現するのに用いる。「漸(ヨウヤク)雲門に入るこそ心もとなき導師の力なり〈けらし〉/笈の小文」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.